ご挨拶
学術大会長のご挨拶
「第49回日本診療情報管理学会学術大会」の開催にあたり
学術大会長
丹野 弘晃
十和田市立中央病院 事業管理者
この度、第49回日本診療情報管理学会学術大会を2023年9月14日(木)・15日(金)の2日間にわたり、青森県十和田市の十和田市民文化センターと十和田商工会議所に於いて開催させていただくことになりました。実は、本学会ですが
49回目にして、青森県での初開催となります。その担当に巡り合えたことを、大変光栄に存じます。副学術大会長である青森県立中央病院病院長の藤野安弘先生と八戸市立市民病院院長の今明秀先生のご協力をいただきながら、青森県には二次医療圏が6つありますが、そのすべての中核病院から大会実行委員をご推薦いただき、充実した学術大会となるよう、オール青森で準備を進めております。
本学会もコロナ禍の影響で、第46回(福岡市、村中光会長)は中止となり、第47回(名古屋市、松本隆利会長)および第48回(高知市、堀見忠司会長)は、完全WEBオンデマンド配信での開催となってしまいました。参集型を基本に準備を進めてこられた大会関係者の皆さんの心情を察すると、正直共感する部分が多く、残念で辛いものがございます。そのお気持ちも繋ぎながら、第49回は何とか参集型とオンデマンド型のハイブリッド型で開催したいと強く思っております。対面による熱いディスカッションを期待いたしますし、懇親の場もご提供したいものです。
もっとも肝心な大会のメインテーマですが、「地域の医療介護情報を活用する~地域における診療情報管理士の在り方とは~」と、かなり具体的な主題とさせていただきました。その心は、十和田市という地方都市で開催させていただくことも意識しましたが、地域ごとに、人口減少率、人口構成、高齢化率、それによる疾病構造の変化など、医療介護事情は様々だと思います。だからこそ、その状況に対応しながら、地域の医療介護データを様々な場面で、タイムリーに、情報として活用することがますます重要になっていることは公知のことです。我々診療情報管理士が、地域に根差したデータを集め、情報に変換し、各医療介護施設のこれからを導いていかなければなりません。各地域のまさに、地上の星のようなきらりと光るお仕事を日々積み上げていらっしゃると思いますので、是非ここ十和田市にその成果を持ち寄っていただき、共有しながらの活発なディスカッションを期待しつつ、心躍らせながら待ちたいと存じます。このような思いを込めて、考案したメインテーマであるとご理解いただければ幸いです。
この日本診療情報管理学会は、1975年に「診療情報管理士」を主たる会員として発足しており、診療情報管理の発展を牽引し、診療情報学の確立に取り組む組織です。2022年10月19日時点で、学会員数は4,371名、診療情報管理士認定者は43,925名まで増えてきております。その構成は、医師、看護師、薬剤師、医療関係の事務職を中心に多職種からなり、大変幅の広い多様性に富んだ人財の宝庫であると実感しています。医療DXの流れの中で、診療情報管理士の存在価値はますます高まっており、WHO(世界保健機関)が作成した3つの国際分類であるICD(国際疾病分類)・ICF(国際生活機能分類)・ICHI(保健・医療関連行為分類)への深い関与も高く評価されており、誇りに思います。会員の皆様におかれましては、是非本学会を共に盛り上げていただきたいと熱望する次第です。
さて、十和田市はどこにあるのかということですが、青森県東側の内陸部に位置しており、人口は青森市・八戸市・弘前市に次いで、県内第4位(6万人弱)の地方都市です。新幹線を含む鉄道・高速道路・空港等はありませんが、自然豊かな美しいまちです。ということで、アクセス・宿泊につきましては、ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、お許しください。しかし、訪れていただければ、十和田湖・奥入瀬渓流を配し、ひめます・にんにく・ながいも等の産品ブランドも豊富で、必ずご満足いただけるものと確信いたしております。数多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
副学術大会長のご挨拶
第49回日本診療情報管理学会学術大会 副大会長を拝命して
副大会長
藤野 安弘
青森県立中央病院 病院長
このたび、第49回日本診療情報管理学会学術大会の副会長を、今 明秀八戸市立市民病院院長とともに拝命いたしました、青森県立中央病院院長の藤野 安弘です。本学術大会開催にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
診療情報の管理は、医療を提供する我々すべての医療従事者にとって、果たさなければならない最も重要な義務のひとつです。その診療情報ですが、記録方法が紙媒体から現在の電子媒体へと移っており、現在では殆どの大規模病院で電子カルテを導入しています(400床以上病院の電子カルテ普及率91.2%:厚生労働省 医療施設調査より)。厚生労働省がカルテを電子データとして保存することを正式に認め、いわゆる電子カルテが正式に誕生したのが1999年とのことです。現在、医療情報管理の中心的役割を果たしている診療情報管理士ですが、その資格名称も電子化に伴い変わっています。診療記録の管理のために日本病院会が1972年(昭和47年)に養成を開始したとき、その名称は診療録管理士でした。その後1996年(平成8年)に資格名称が現在の診療情報管理士に変更されていますが、これは1999年の電子カルテ導入を見越したうえでの名称変更だったものと思われます。今回大会を主催する青森県においては2003年に電子カルテの導入が始まりましたが、導入初期にはその導入が新聞記事になり、「電子カルテの長短」との見出しが大きく掲載されました。今からすると隔世の感がします。その後、医療現場における電子化は大きく進化しており、最近多くの病院で導入されているPFM(patient flow management)の概念は、医療のみならず在宅・介護現場までの情報共有を統括するものであり、病病連携、病診連携に加えて医介連携においての診療情報管理は今後さらに重要となってくるものと思われます。本大会のテーマである、「地域の医療介護情報を活用する」は、これらの連携において診療情報の共有、そして活用に診療情報管理士がどのようにして取り組んでいくかを考えることを目的の一つとしております。初秋の候、本州最北端の青森の地で、眼で「景色」を楽しみ、口で「海の幸、山の幸」を楽しみ、頭で「知識の展開」を愉しんでいただければと思います。学会の内外で皆様とともに充実したひとときが過ごせますよう期待しております。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
副学術大会長のご挨拶
第49回日本診療情報管理学会学術大会 副大会長を拝命して
副大会長
今 明秀
八戸市立市民病院 事業管理者
このたび、第49回日本診療情報管理学会学術大会の副大会長を拝命いたしました、八戸市立市民病院事業管理者の今明秀です。ひとこと、ご挨拶申し上げます。
今大会の大会長の十和田市立中央病院の丹野弘晃事業管理者と副大会長の青森県立中央病院の藤野安弘院長と力を合わせて充実した学術大会を開催したいと思っています。
日本診療情報管理学会は、1975年に「診療情報管理士」を主たる会員として発足しました。本学会は、診療情報管理の発展を牽引し、診療情報学の確立に取り組む学会です。その中心となる「診療情報管理士」とは、医療機関における患者さんの診療情報などを国際統計分類等に基づいて収集・管理し、データベースを抽出・加工・分析を行い、さまざまなニーズに適した情報を提供する専門職種です。
学会のテーマは「地域の医療介護情報を活用する」です。丹野大会長がこのテーマに沿い学会に寄せる熱い思いを講演されるものと思います。私自身は八戸市立市民病院の院長を拝命した際、医療介護情報の大切さを痛感し、診療情報管理士の活躍を尊敬してきました。
日本診療情報管理学会員の皆様も、新型コロナウィルス感染症の時代となりこのテーマが重要であることを感じていることと思います。日本中に蔓延した新型コロナウィルス感染症は、診療情報管理士の重要性を際立たせました。施設ごとに創意工夫で乗り切ったたくさんの知見が本学術大会で発表されます。また、さまざまな講演、企画、シンポジウムを予定いたしますので、必ずや診療情報管理に役立つものになると思います。ご期待ください。
学会の方式は、今学会開催時期には新型コロナ感染症の収束が見えてくるものと現時点では判断しますので、現地集合、対面形式での学会開催を予定しております。できる限り皆さまに青森県の十和田の地を訪れていただき、直接ディスカッションを交わす、交流する学会が開催できますよう、努力してまいります。
多くの方々が一同に会し、本学術大会に参加いただけますことを、学会関係者一同お待ちいたしております。
よろしくお願い申し上げます。